シーサイドライン・インタビュー 〜快適で安全な運行のために〜

「新杉田」駅から「金沢八景」駅まで、14駅を約25分で繋ぐシーサイドライン。通勤、通学はもちろん、沿線には横浜・八景島シーパラダイスやブランチ横浜南部市場など、人気スポットも数多くあり、多くの人々が利用しています。1994(平成6)年に全列車自動運転化を開始するなど、全国からも注目が集まっています。今回はそんなシーサイドラインの誕生や、安全快適な運行についてお話を伺ってきました。

シーサイドラインの歴史と概要

まずお話を伺ったのは、運輸部の濱崎さんです。シーサイドラインの歴史や、気になる新交通システムについてお話いただきました。

運輸部 営業課 濱崎さん

――創業からの歴史について教えてください

濱崎さん:横浜シーサイドラインは1983(昭和58)年に、最初は横浜新都市交通株式会社として設立いたしました。

開業当初は乗務員が乗務してワンマン運転を行っていましたが、順次自動運転に車両を改造いたしまして、1994(平成6)年4月4日より、完全自動運転化しております。

――沿線の魅力について、教えてください

濱崎さん:シーサイドラインはJR線「新杉田」駅から京急線の「金沢八景」駅までを結び、約25分で運行しております。また、京急線との乗り換えについてもスムーズになっています。

沿線には住宅地をはじめ、公共施設やレジャースポット、商業施設などのほか、古くから景勝地として親しまれている金沢八景などがあり、”歴史と文化にアクセスする道”ともなっています。

コストコホールセール
旧伊藤博文金沢別邸

――新交通システムについて、教えてください

濱崎さん:新交通システムは、一般の鉄道などの大量輸送とバスなどの少量輸送との、中間の輸送力を持ち、中規模の軌道を走る交通システムとなります。コンクリートの走行路の上にガイドウェイが設けられ、ゴムタイヤを着けた車両が案内軌条に誘導されながら進むというものが、代表的な新交通システムとなっております。

コンクリートの走行路
道路のような軌道上をゴムタイヤにより走行している
接触感知装置

――無人で走行する新交通システムですが、走行時の安全性はいかがでしょう

濱崎さん:車両の前後に接触感知装置がついておりまして、走行中に万が一何かにぶつかった際には、その衝撃で電車が停止するようになっています。

 

車両の特徴と整備について

続いてお話を伺ったのは、技術部の伊坂さんです。「並木中央」駅に隣接する本社の敷地内には、シーサイドラインの車両基地と車両を点検する検修場があります。

技術部 車両課 検修区 伊坂さん

安全に走行するための日々の点検や整備について、お話を伺いました。

――どのような整備が行われているのでしょう?

伊坂さん:シーサイドラインの電車も、車の車検と同じように、法令に定められている点検期間がございます。まず90日以内に行う月検査、4年の周期で行う重要部検査、8年に一度の周期で行う全般検査がございます。

そのほかにも、日常的に消耗品等の点検を行う列車検査があり、こちらは各事業者が定めた期間となっており、シーサイドラインは3日に一度の点検を行っています。

4年の周期で行う、貴重な重要部検査の様子
側方集電式のパンタグラフ

――列車検査ではどのようなことをするのですか?

伊坂さん:シーサイドラインはタイヤで走行しています。タイヤが装着された状態でゴムタイヤの点検をします。それと、一般鉄道さんですと屋根上についているパンタグラフが、弊社の場合は側方集電式と呼ばれている形で車両の脇についておりますので、そうした磨耗品の点検を実施します。

ほかにもタイヤを締め付けているナットの点検や、車両の脇についている丸いゴムの案内輪なども点検いたします。

――どのように整備に取組んでいますか?

伊坂さん:日々繰り返し同じ作業なのですが、「基本動作と安全について」、こちらをまず最優先として整備を行っています。

安心・安全のために、日々繰り返し整備が行われている

お客様に安心してご乗車いただくために、我々は何も問題がない、完全な電車を提供することを心がけて、日々仕事をしております。

円滑な運行を実施するダイヤについて

最後にお話を伺ったのは、運輸部の兼村さんです。平日の運行本数は310本にも及ぶシーサイドライン。朝夕の平日ラッシュ時間帯は約5分間隔で運行しています。安全で快適な運行のための、ダイヤ作りや日々の運行チェックついてお話を伺いました。

運輸部 運輸課 兼村さん

――ダイヤ作成はどのように行われていますか?

兼村さん:主にラッシュ時間帯のお客様の利用状況に合わせた輸送力を勘案し、毎年春と秋に実施している乗降調査によって、現行ダイヤが上手く機能しているかの確認を行っております。

――日々の運行確認についはどのように行っていますか?

兼村さん:自動運転には、それを管理する運行管理コンピューターというシステムがございます。こちらにダイヤプログラムを登録し、そのプログラム通りに従って、定時運行に努めています。

運行管理は指令区という部署で担当しており、モニターカメラによるホームの監視や、列車の在線状況の把握を行い、お客様の安全確保とともに、定時運行に努めております。

年2回、現行ダイヤについて確認されている

兼村さん:今後もお客様のニーズに合ったダイヤを検討し、お客様に安全快適にご利用いただけるよう取り組んで参ります。

取材にご協力いただいたシーサイドラインの方々

運輸部 営業課 濱崎さん
技術部 車両課 検修区 伊坂さん
運輸部 運輸課 兼村さん


※この情報は2024(令和6)年5月時点のものです。