金沢シーサイドライン「幸浦」駅から徒歩約10分。2023(令和5)年9月24日に開園した「小柴自然公園」は、2005(平成17)年に返還された在日米軍小柴貯油貯油施設の跡地を利用した広域公園である。全体で約55.8ヘクタールという広大な敷地のため、3期に分けて整備が実施される予定となっている。今回、オープンしたのは第1期エリアで、広々とした草地広場と海食崖の景観が特徴となっている。
「遊具広場」は約4,600平方メートルの敷地にインクルーシブ遊具を備えている。インクルーシブ遊具とは、障害の有無などにかかわらず誰もが利用できることを目的とした遊具のこと。照り返しのない遮熱舗装や、コンクリートなどに比べて衝撃吸収性に優れているゴムチップ舗装など、子どもが安心して遊べる環境が整っているほか、大型の複合遊具もインクルーシブになっている。園内の整備にあたっては、障害のある方や、支援団体、専門家、特別支援学校などからの意見を集約したという。
「多目的広場」は広さ約140メートル×約70メートルの多目的グラウンドとなっている。主に金沢区内で活動している軟式少年野球や少年サッカー、グラウンドゴルフ等で利用可能。団体利用がない時間帯は、個人での申し込みもできる。「草地広場」は約1ヘクタールの広々とした原っぱで、のびのびと過ごすことができる。
第2期は「里山空間再生エリア(約19.5ヘクタール)」と「自然環境保全エリア(約7.5ヘクタール)」の2エリアがオープン予定となっている。「里山空間再生エリア」は柴シーサイドファームに隣接し、ホタルなどが生息する細長い谷戸地形。生物の生息環境の再生や市民協働による樹林地の保全などを行いながら、農体験もできる里地里山空間の再生を目指す。「自然環境保全エリア」は、現在も残る樹林地など自然環境の保全を基本とする。
第3期は「活動・体験・学習エリア(約15.6ヘクタール)」が開園予定で、地下タンクなどの処理を行いながら、緑の再生を図る。また、緑や環境に係るさまざまな活動や体験、学習の場を目指すという。今後の更なる発展が楽しみな公園だ。
小柴自然公園
所在地:神奈川県横浜市金沢区並木3-7-117-11
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